フェノミナを見ました。ホラー界における、ティム・バートン&ダニー・エルフマンことダリオ・アルジェント&ゴブリンのコンビ。相変わらずいい仕事なんだけどサスペリアやゾンビに比べるとゴブリンのスコアはパンチに欠ける。それを補うためか、アイアン・メイデンモーターヘッドが挿入されて、否応なしにハイテンション。アイアン・メイデンは「殺意の閃き」という凄い邦題の曲。ちなみにこれが入ってる「パワースレイブ」ってアルバムの一曲目の「Aces High」は高校一年生のとき初めてバンドでコピーした曲。ライブでやったけどギターソロはどうやったんだろう。あんなの今でも弾けん。


スイスの田舎に集団旅行しに来たデンマークの高校生の一人がバスに置いていかれて一人路頭に迷うところからスタート。知らない国の誰もいないようなところに一人ぼっちの女子高生。助けを求めて民家に無断侵入。誰かいないんですか〜と家の中をうろついていると、後ろから鎖で首を絞められ、必死に振りほどき逃げたと思ったら、ハサミで手の甲を貫かれ、出血しながら家の外へ脱出。その後なぜか、かなり怖そうな森の中へ逃走。逃げ回るも追いつめられ、首を刎ねられて無残な最期。という冒頭。森の描き方はなかなか綺麗で、作品通してそこは一貫してた。


そんで本編。虫の心がわかり、夢遊病持ちという設定の当時14歳のジェニファー・コネリーに、スズメバチと戯れさせたり、口の中に手を突っ込ませて吐かせたり、火の海を泳がせたり、蛆虫と死体のプールに飛び込ませたりと無茶苦茶やらせる。よく親に怒られなかったもんだ。この仕事を引き受けた彼女が凄い。というのが感想で、ところどころはっとするところはあったけど、ホラーとしても、映像美としても、B級ギャグとしてもアルジェント的には普通。なんとも消化不良な気がしたけど、作品を通して電話でしか出てこなかった、弁護士(ドラクエVでいうとサンチョ)がやっと登場するシーンは見ものだった。

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