パソコン復活。結局OS再インストール。ああ面倒くさかった。まだ半分くらい残ってるんだけど、とりあえず生活&業務に差し支えない程度までの再構築に丸一日かかったよ。そんでもって、再構築中には待ち時間がたくさんあったので、その時間を利用して、ついにブレッソンのスリを見ました。見ようと思ってから10年越しの悲願達成。


本当に役者が素人で、棒読み&無表情はデフォルト。何かやっているわけではないけど、俺はたぶん天才のはずだから罪を犯しても法を適用するべきではないよね、というむちゃくちゃな持論の病んだ主人公がスリになるお話。罪と罰ラスコーリニコフのオマージュなんだろうけど、苦悩が欠けてる分だけ性質が悪い。そしてそれが妙に現代っ子っぽい。ちなみにスリの訓練にはピンボールが一番良いんだそうです。フムフム。新聞紙を使いながら満員電車で内ポケットから財布を抜く技なんかはなるほどと思ってしまった。ストーリー云々よりカメラワークが綺麗で印象的だった。音楽はリュリが使われていているのだけど、リュリってルベルやリヒャルト・シュトラウスの曲に名前が出てくるので、知ってはいたけどはじめて聞いた。典型的なバロック音楽で、重厚でかっこよいんだけど、お洒落な絵とあまりあっていないような。映画としてはサスペンス的にも見れて総じて面白かった。この人のほかの作品も見てみたい。久々に映画見たけど映画は良いね。


スリ [DVD]

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