若干時間に余裕ができたので、レイナルド・アレナスの「夜明け前のセレスティーノ」を読みました。凄かった。散文詩っぽい小説なんだけど、これ書いたの20歳ってほんとに凄いね。天才とはこういう人のことを言うのだと思った。斧を振り回すじいちゃんを筆頭に、ろくでもない人間と環境に囲まれたキューバの寒村の少年が、現実逃避のために夢想する世界を語っているんだけど、誰が生きてるのか死んでるのかわかんないし、時間の前後もよくわかんないし、空白だらけだし、突然話をぶった切って他人の詩とか何回も挿入されるし、いきなり戯曲になったり、意味わからんといえばわからないんだけど、9才くらいの少年が作る想像の世界とすれば相当リアルなんではないか。訳者も相当凄い。読了後の衝撃度としては人生でベスト3くらいには入りそうだなぁ。自信を持ってお勧めしますぞ。


夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)

夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)

はしだ