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先日は吉祥寺ライブお越しいただいてありがとうございました。
どのバンドも素晴らしかった。呼んでいただいたstudent aありがとう。
ちなみに山中さんwthいなかやろう、箱庭の室内楽withばんどうたろうさん(a.k.aいなかやろう押田さん)はどうでしたでしょうか。手前味噌ながら個人的には双方素晴らしいコラボだと思いました。ばんどうさんのコーラスが素敵過ぎて、いなかやろうの素敵な音楽の秘密の一端が分かった気がしました。しめしめ。
打ち上げではstudent aの方と熱く邦画を語ってしまい、久々にとてもハッピー。しかし、また空回りした模様。いつになったら分別をつけられるのだ、俺は。ごめんなさい。そしてありがとう。
お詫びにちょっとしたオススメ邦画を。
・溝口健二『雨月物語』
大前提なんだけど、僕自身は所謂長回しが好みじゃない(だからタルコフスキーとか苦手なんだけど)。しかし、にしてもなお、邦画の快感原則はやっぱり長回しだと思う。言語感覚的に合ってるのではないだろうか。日本語の、あのアクセントが最初に来て、語尾がはっきりしない感じが、延々と回される終わりの無いショットに通じる、というのは穿った見方だろうか。
話が反れた。ともかく溝口は長回しの監督である。ワンショット毎にメチャクチャ緊張感がある。その幽玄な雰囲気は最早殺気にも等しい。虐めにも等しい演技指導と美的センスと性格の悪さ(笑)が溝口の世界を作っている。
『雨月物語』は水の映し方が劇的に素晴らしい。それ自体が水のような宮川一夫の横滑りカメラ、森雅之の憂いを含んだ表情(成瀬の『浮雲』でもこの表情)京マチ子の美しさも素晴らしい。それと、田中絹代も!
とまあ、月並みな紹介しか出来ませんが、美術館に行って名画を眺めている時の息もつかせない圧倒的な感じと、鑑賞後の魂抜けきった感覚を味わえる。
・相米慎二『ションベンライダー』
一見少年少女のジュブナイル物と思われがちだけど、実はちょっとした前衛映画。一応、ちゃんとした話はあるんだけど、筋は無いに等しい。
オーソンウェルズの『黒い罠』に匹敵する、冒頭の長回しはシーンの内容とは関係ない、ある意味無用な緊張感を生み出している。
とにかく、長回し。『セーラー服と機関銃』も結構な長回しだけど、より凝っている。それと、登場人物のアップがほとんどなく、誰が誰だかわからない。『台風クラブ』でもそんなシーンが数多くあるが、極端である。
嫌いな人は大嫌いだと思う。僕は好きだけど、筋のある商業映画というよりかは、青春映画の形を借りた極端な映像作品としか思わない。しかし、これほどワケの分からない映画がそれなりの興行で上映されたことを考えると、80年代とは凄まじい時代だ。同時に、今の時代がどれほど保守的な時代なのかを痛感する。
ご興味あったら御鑑賞お願いいたします。
(西川)
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