体調を壊して以来、絶望的に体力がなくなってしまったので、当分無理せずのんびり生きることに決めて生活をしております。体を壊しちゃおしまいだしね。皆さん無理せぬよう。

で、エリアーデの「令嬢クリスティナ」を読みました。エリアーデさんはルーマニア宗教学者として高名で、ルーマニア語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語、ヘブライ語、ペルシア語、サンスクリット語を使いこなす語学の天才ですが、小説家としても素晴らしい才能を持ったお方であります。この「令嬢クリスティナ」、エリアーデ的には異色な作品で、美人なお姉さんの吸血鬼(幽霊)もの。サディスティックな童女シミナちゃんの描写も相成って、発表当時(1936年)は文部大臣に告発されてしまったようですが、割と古典的な普通の小説でした。ちょっとホラー。何かとあると十字を切る学者さんがおもしろかった。
エリアーデ先生には「ムントゥリャサ通りで」とか「ホーニヒベルガー博士」とかめちゃくちゃ面白い作品が多数あり、そういうのを期待してたんで少々がっかり。20代の若書きだから仕方ないのかと思いきや、その次の年に出した「蛇」って小説はかなり良い感じ。読み終わるのが楽しみ。

(は)

ムントゥリャサ通りで

ムントゥリャサ通りで

お勧めはこっち。読まずに死に逝くことなかれ。