アンリ・ボスコの「シルヴィウス」を読みました。アンリ・ボスコはバシュラール(神)が愛した作家ということで、前々から読みたいと思っていたのだけど、ほとんど絶版で古本でも高値なので、なかなか読めなかったのだけど、やっと。

安息を愛し、常に夢想している一族の中において、老人シルヴィウスが突然家出をしてしまうというお話なんだけど、話を要約するのは難しく、全編を通して夢の中にいるような感じ。
「・・・何とも不思議な胸をしめつけるような感じに襲われ、いったいそれが喜び・快さであるのか、苦しさであるのか、いっとき思い惑ったほどであった」と訳者の天沢退二郎先生が書いてるのだけど、まさにそんな感じの読了感。でも良いものを読んだのは間違いない。だいたい、おじいちゃんが旅に出るとか、そういう話に俺弱い。訳も素晴らしかった。


名著との誉れ高い「骨董商」の古本相場が、上下巻でだいたい5,000円。うーん、古本で5,000円は出せん。でも図書館でなく、手元に置きたいと思わせるんだよなぁ。なんでだろう。今年は生誕120周年なので、安いの出してくれまいか。ちなみに「バルガボ パスカレ―パスカレ少年の物語」という本はamazonで162,380円で販売中。新品の原チャリ買えるぜ。

天沢退二郎は詩と宮沢賢治の論文しか読んだこと無かったのだけど、小説も書いてるのね。知らなかった。是非読んでみたい。

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