昨年は色々と環境の変化が目まぐるしかったため、エネルギッシュに生活をすることを強いられ、それはそれでよいこともあったのだけれど、自分でうまく操れないため変な方向へ放射して人様に迷惑をかけたことも多々ありました。今年は無礼or失礼な言動&行動をしないよう重々気をつけたいと思います。昨年は自分の人生プラン的には珍しく友達が沢山できたような気がするので、友達を無くさないようにしたいものです。

正月は風邪をひいたため、酒も飲まずにごろごろしておりました。何もやる気が起きないので久々に本を読みました。読んでない本がいっぱいあったので少しすっきり。感想さらっと箇条書き。


アンリ・ボスコの翻訳があまりに素晴らしいので、この人の小説が読みたかったのだけど、高くてなかなか手が出ないところ昨年秋に文庫化。装丁は単行本の方がかっこよいのだけど、お金にはかえられん。本当は復刊しただけでありがたがるべきなんだろうけど。
基本的に普通のファンタジックな児童文学なんだけど深い。怖い。小学生の頃を思い出す。突っ込みどころは満載なのだけど、それも含めて異常な魅力がぷんぷん。読み終えてすぐ2読目に突入した。自分は覚えてる限り非国産のファンタジーに育てられた気がするんだけど、こういうのを子供の頃に読んでおきたかったなあ。スカイエマさんの挿絵も琴線に触れた。傑作。他のも文庫化頼みます。

光車よ、まわれ! (ピュアフル文庫)

光車よ、まわれ! (ピュアフル文庫)

たぶん初めて読んだオーストラリア文学。カルヴィーノより説得力があり、ボルヘスより衒学的ではない分読みやすいという印象で、両者に近いと比較されるのも納得。むしろその二人より好き。23の短編が収録されていてどれも選び抜かれた言葉で書かれていて面白かった。さすが詩人出身。「恋はいつでも意思的な行動の延長線上にある、意識的な決意なのだ」という一文で、そんな訳ねーじゃんと思いつつ考えてみると、なるほどと思ったりもした。なるほど。

迷宮都市

迷宮都市

昔図書館で違う翻訳のを読んだのだけど、今回は永田千奈さんという方の翻訳。これも10の短編集なのだけど、どれも素晴らしい。純粋な弱者が大体主人公で、どうにもならない世界でほんとにどうにもならないんだけど、描き方の切り口がとても美しい。この人なんで絶版ばっかなんだろう。ともあれ光文社古典新訳文庫シリーズは偉い。これからも良質なのをお願いします。

海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)

海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)

俺はほんとにこういうのが好きなんだなぁと書いてて思ってしまうのだけど、アルゼンチンの巨匠の短編集。どれもなかなか面白いのだけど、技術的になにかしてやろうと思って作品を書いているような印象を受けた。策に溺れているというか。そのためいまいち楽しめなかった。頭を使いすぎて他者を置いてきぼりにする様はボルヘスっぽく好みでないところ。木を見て森を見ず。気をつけたい。

何かの会社の話かと思って読んでいたのだけど、会社はいっさい出てこない。訳者あとがきに言い訳が書いてあるけど、邦題はおかしい。原題はThe Unlimited Dream Company。異教の神となった社会不適合者による世界の破壊&創世の話でいいのかな?とにかく描写が下品で汚い。これでもかというくらい頭のおかしい行動をプリズムの如く振りまくので読んでいてトランス状態になる人はなるんだろうけど、俺は無理。でも惜しいような気もする。この人の未読の本がまだ数冊あるのだけど、どうしようか悩む。

夢幻会社 (創元SF文庫)

夢幻会社 (創元SF文庫)